酸化療法とは、少量の活性酸素を酸化ストレスとして敢えて生体に与えることによって、逆に生体の抗酸化力を強化し、体調改善や各種疾患を改善していく治療法です。

現在人の世界では、活性酸素を消去する抗酸化という方法が盛んに唱えられています。
酸化作用を引き起こす代表的な「活性酸素」と呼ばれる物質は、現代人のライフスタイルにおいては過剰に生じがちなために、その過剰に生成された活性酸素によって細胞が障害され、各種疾患の原因となっていると言われています。動物医療においても同様で、「酸化」=「悪」という名の下に、「抗酸化」というテーマで盛んに食事療法やサプリメント選び、生活習慣の在り方などが議論され、また紹介されてもいます。過剰な活性酸素は生体に対して確かに害となりますが、極少量であればそのホルミシス効果によりむしろ良い効果を生み出すことがあります。

酸化療法としてはオゾン療法などの様々な種類がありますが、おおよそ共通してみられる具体的な効果としては、抗酸化物質の増加による抗酸化力の増強、末梢血流量の増加、各種サイトカインの放出による免疫機能の向上、抗炎症作用、などがあります。
このことは 世界中の研究者達によって検証がなされており、臨床的にも活性酸素を生体内に適切な量を投与することによって、生体はかえって抗酸化力がつき様々な病気に対して治癒効果が認められることが多数の研究から確認されています。
こうした酸化療法は人医界においては、ヨーロッパ、特にドイツなどでは非常に盛んで多くの臨床例が報告されていますが、近年では動物に対しても応用され、一部の動物病院でも実施されています。
残念ながら日本ではまだまだ知名度が少ないのが実情ですが、それでも最近ではオゾン療法を中心にこうした酸化療法を実施する動物病院が徐々に増えつつあり、大学でも症例報告がされるようになってきました。
ただこうした酸化療法はまだまだ研究が必要な治療法ですし、その治療効果においては限界はありますが、病気の治療はもちろんのこと、予防医学においても応用可能なので更にその適用は広がると考えられます。通常の薬物治療と違ってこの酸化療法は、正しい使用法で用いる限りにおいては副作用が少なく、高齢の動物などでも安全に実施できる治療法の一つになり得ると考えられます。

酸化療法は色々な種類がありますが、オゾンを媒介とするオゾン療法、血液に紫外線を照射する血液紫外線照射療法、H₂O₂や水素を点滴する方法、などがあります。
この内、当院では「 ☞オゾン療法」及び「☞血液紫外線照射療法」が実施可能です。
さらに当院ではこれらの治療と共に「☞ホモトキシコロジー」などの治療法とも併用可能なので、治療効果を更に高められることが期待でき、尚かつこれらの機器は小さくてコンパクトなため、往診先でも十分実施可能です。このことは治療の幅を更に広げられることにも繋がります。

ただし酸化療法は、体質的に合わない場合があり、実施前に検査を必要とする場合もありますので詳細は当院にてお尋ねください。

オゾン療法
血液紫外線照射療法